りつき、やはり石屋の金さんから、丹下左膳らしい浪人者が、さっき長屋へたずねてきたが、人を追ってすぐ日光へ出かけたと聞いた伊賀の暴れん坊、気の早いほうでは、人後に落ちません。司馬道場から引き連れて来た弟子三名を従えて、これも道々この店で脚絆、わらじ、あの店で笠《かさ》に柄袋《つかふくろ》といったように、旅の装束をととのえつつ、紫いろのあけぼのの江戸をあとに……。
江戸から二里で千住《せんじゅ》、また二里で草加《そうか》、同じく二里の丁場《ちょうば》で、越ケ谷、粕壁《かすかべ》――。
日光街道に、三組のふしぎな旅人が、それぞれ先を望んで点々として追うがごとく。
ところで、ここに。
つぎの動きは、まずあの、大人とも子供とも得体の知れないチョビ安を中心に、まき起こるに相違ないとにらんで、この間じゅうからずっと、あのトンガリ長屋の付近へ張りこみ、それとなくようすをうかがっていた男がある。
ほかでもない、つづみの与吉。
こやつ、いつ江戸へまい戻ったものか、若党|儀作《ぎさく》の壺のあとを追って、せっかくうばったのを、また取り返されたという失敗にもこりず、頭をかきかき、またあの司馬道場の
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