笹に結びつけた手紙が、二度も三度も棟と棟のあいだを往復したのち。
提出した条件がいれられたとなると、追いつめられたも同然の峰丹波、もはやなんの口実もない。
やがて、朝。
庭の小広い片隅に、源三郎についてきている伊賀侍どもが、ワイワイ言いながら仕合場《しあいば》のしたくをしているのを、峰丹波、こっちの部屋で、どんな心で聞いたことか。
ゆうべ一睡もしない血ばしった眼にこのほがらかな朝の訪れは、あまりに、残酷にさえ感じられる。
実際、瞳が痛いほどの、キラキラとした金色の旭《あさひ》です。
今となっても、丹波は、あきらめがつきかねる。
「あの伊賀の暴れん坊以上の腕ききが、そうたくさんあろうとは思われぬが、案に相違、簡単に承知して、判定人を出すと言うのだけれども、いったい何者であろうな」
オロオロした眼で左右をかえりみても、誰ひとり返事をする者がありません。
「心あたりはないか」
なにか、よけいな一人が、
「ことによったら事によるのでは……」
「なんだ、ことによったらことによるのでは――とは? なんのことだ」
「これは、ひょっとしますると、あの、隻眼隻腕の白い煙みたいな浪人が、飛
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