は?」
思いきったようにきいた。
四
おしたく……下賤の者ならば、おや指と人さし指で、丸い輪を作って見せるところだが。
そんなことはしない。
問いを受けた対馬守は、源三郎によく似た鋭い眼を、ほほえませて、
「御貴殿は?」
とききかえした。
信濃守は、ちょっと頭を下げて、
「ハア、どうやらこうやら……御尊家《ごそんか》には、とうにこけ猿の茶壺が見つかったという評判で」
「そのとおり。某所《ぼうしょ》に埋ずめてあった伝来《でんらい》の財宝も、とどこおりなく掘り出すことができました。すなわちあれに――」
と対馬守、すました顔で、床の間のほうへ眼をやった。
別所信濃守も、これではじめて気がついたというわけではない。
実は、さっきこの広い書院に通されたときから、それが気になっていたのだが……。
その床の間には。
小判をいくつか白紙で包んだらしい、細長いものを、山のように積み上げた三宝が、ところせましとまでならべられ、二段三段に重ねて置いてある。
床脇《とこわき》の違い棚まで、小判を満載した三宝がならべられて……。
この上屋敷へついた翌朝のこと、対馬守は
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