しそうな顔で、いま対馬守の前にすわっている。
 蒼《あお》い頬、痩せたからだ。金のかかるお畳奉行は、なるほど重荷に相違ない……貧相な人だ。
 ここでひとことでも対馬守が、ほんとに今度はえらい目にあって――とでもいうようなことを言ったら、同病あいあわれむで、すぐ本音を吐《は》き、愚痴をならべ出す気の別所信濃守だが。
 主役たる造営奉行の肚《はら》がわからないから、めったに不平《こぼ》すことはできない。
 へたに迷惑らしいことをいおうものなら、公儀へ筒ぬけともかぎらないので。
 対馬守も同じ心だ。
 たぶんまいっているのだろうとは思うが、相手の気持がハッキリしないので、うち明けて、どうも困ったことに……とは言えない。
「諸侯のうらやむお役を引き当てましたことは、一身一藩の栄誉、御同慶至極に存じまする」
「さようで。拙者一度は、この日光のおつとめをいたしたいものじゃと、こころがけておりましたが、やっとその念願がとどいたわけで」
 と二人は、しごくまじめ顔だ。
 本心をさぐり合うような眼を交わしている。
「ところで――」別所信濃守は言いにくそうに、しばらくモジモジしていたが、
「あの、おしたく
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