ばしますように――」
「こんどというこんどは、おれも、人の情けが身にしみた。あの左膳……本来なら敵味方、おれにかまわずにどこへでも行ってくれと、毎日頼むように言うのだが、このおれが達者になるのを見すますまでは、どんなことがあってもわしのそばを離れぬと言う。そして、お露どのもごらんのとおり、あの、かゆいところへ手のとどくような左膳の看護《みとり》じゃ。男を泣かすのは男の友情だということを、わしはこんどはじめて、つくづくと知ったよ」
 左膳のことばかり言われるのがお露には、少女らしい胸に、不服なのか、
「はい。ほんとうに……」
 と言ったきり、うつむいている。源三郎も、すぐその心中に気がついた体《てい》で、
「ハハハハハ、左膳ばかりではない。親爺六兵衛殿といい、イヤ、誰よりもお露さんの親切、生涯胆に銘じて忘れはいたさぬ」
「そんなお義理のようなお礼など――」
 お露は、ちょっとすねて。
「それよりも、どうぞいつまでも……いつまでも御病気のまま、アノ、あまり早くよくおなりにならないように――」
「これは異なことを、いつまでも病気でおれとは――」
「でも御病気なればこそ、このむさくるしいあばら
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