《や》った!
そのはやいのなんの……右側にいた一人、ガクリと膝をついたとみると、その膝っ小僧から一時にふき出す血、血。
プクプクとおもしろいようにわき出る血綿、血糊が、みるみる袴のすそを染め、板の間にひろがって、
「わッ! ウーム!」
大刀をいだいて、ころがってしまった。
足を斬ったからあし[#「あし」に傍点]からず……左膳、そんなくだらない洒落は申しません。
無言だ、もう。
ひさしぶりに血を味わった濡れ燕は、左膳の片腕からとびたとうとするもののごとく、すでにこのときは、またもや正面の一人をななめ胴に下から斬りあげて、そいつの手を離れた一刀、はずみというものはおそろしいもので、ピューッと流星のようにとんで板壁につきささった。刀の持主は、すでに上下身体を異にして……だから、言わないこっちゃアない。
あまりのめざましさに、一同、瞬間ぼんやりしてしまったが、
「屋内では不利! 戸外《そと》へおびき出せッ!」
声に気がついてみると、峰丹波だ。どうもひどく要領のいいやつで、うしろのほうへ来て、足ぶみなんかしてしきりに下知している。安全地帯。
が、さっきの丹波の命令で、道場の出口
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