、筆談をつづけて、
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「その儀事実とあらば、藩主たる予の今まで知らざりしこと、まことに合点ゆかず」
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一風宗匠の応答……。
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「用なきときに子孫に知らすれば、無駄使いするは必定。さすれば、かかる場合もやと、まさかの役に立てんと隠しおきたる御先君の思召し相立たずそうろうことと相なり――」
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苦笑した対馬守は、
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「されど、天、宗匠に嘉《か》するに稀有《けう》の寿命をもってしたれば、過《か》なかりしも、もし宗匠にして短命なりせば、いつの日誰によってかこれを知らん。家中のもの何人も知らずば、大金いたずらに土中に埋ずもれんのみ。心得難きことなり」
「その不都合は万々これなし。迂生《うせい》臨終のさいは、殿に言上いたすべき心組みに候いき」
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濶然《かつぜん》と哄笑した一風は、なおも筆を走らせ、
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「大金の所在は、壺中にあり」
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急《せ》きこんだ柳生対馬守、
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「壺中にありとは、これいか
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