たわ。急に出発するんでしょうか。
男六 おお、ほんとだ! いよいよこの城の囲みを解いて、乃蛮《ナイマン》へ攻め入るものとみえる。
男一 おう! するとわれわれは助かった!
女三 え? ほんとに助かりましたのでございますか。ああありがたい! ありがたい――!
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躍り上る群集。皆みな抱き合って狂喜する。感極まって嬉し泣きに泣く者もある。
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男七 あ! 合爾合《カルカ》姫がやって来られる。おお、あすこに、あの大男に伴れられて帰って来るのは、合爾合《カルカ》姫ではないか。
男二 そうだ。奥方だ。おや! 大男はあそこで別れて、一人で引っ返して行くぞ。うむ、お城の近くまで送って来たのだな。
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避難民ら口々に、「合爾合《カルカ》姫だ!」「われわれの命の恩人だ。」「札荅蘭《ジャダラン》族の根絶やしを救って下すったお方だ!」と叫ぶ時、城門より、城主の弟|台察児《タイチャル》が血相を変えて出て来る。
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台察児《タイチャル》 
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