であることは、すぐにわかった。木場の甚と一空様と忠相と、三人で計らったものらしいことも、容易に察しられるのだ。
忠相は、片頬に笑みを浮かべながら、ひとり言のような調子で、ぱたぱたと片づけて行くのだ。
「龍造寺主計、吟味中ことばを改める。そちは、宿屋の亭主と申すが、宿屋の亭主が、大刀をふるって人の眉間を斬るか、宿屋の亭主か、武士か、どっちかになりきれ。すなわち、庄内藩へ帰参するか掛川の具足屋とやらへ帰るか、どちらに致す? 返答せい」
「それは、掛川へ帰らせていただきとう存じまする」
「うむ。よくよくさむらいがきらいじゃとみえるな。つぎにおせい、そちは、磯屋五兵衛の遺産いっさいを受けとったであろうな。何もかかりあいじゃ。磯五の命日をみてやれ。
さて、駒とやら申すはそちか。そちは、踊り振り事の類をもって身を立て得ると聞き及ぶが、当分、父久助とともに木場の甚方へ掛人《かかりびと》になるがよい。甚、よくめんどうをみて取らせ。
皆の者、よくわかったな。よろしい。一同立ちませい――ああこりゃ、それなる盲人は何者じゃ? なに、若松屋惣七。いや、何者でもよい。眼が不自由では困ろう。誰か寝起きの世話
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