「しきりにむごいというが、何もむごいことはあるまい。お前にも、わしの気もちはわかっておるはずだ。おれは、戦っているのだ。お前を求める心と、おれは戦っているのだ。金と若さと美しさがあって何でもできるお前が、このおれのような、近ごろは商売もふるわぬ金貸しに一生しばられて動きの取れんことになっていいという法はない。あはははははは、おれはこれでも、自分を知っておるつもりだよ」
「何をおっしゃるのでございます。旦那様は、高を苦しめ、高を嘲弄《ちょうろう》なすっていらっしゃるのでございます。もしまた、御本心から高の財産がお眼ざわりになっていっしょになってくださらないとおっしゃるのでございましたら、それこそ、つまらないことにわずらわされておいででございます。
どうぞ、そんな添えものをごらんにならないで、高をごらんなすってくださいまし。ほんとうに柘植《つげ》の財産がお気に召さないのでございましたら、高は、惜しくも何ともございません。すぐすてますでございます」
「いかん。そういうことはならぬ。お前とおれは、何というても、これぎりのものだよ。どうにもならぬのだ」
「旦那様は、世間のおもわくばかりお考えで
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