に説明するために、その一月ほどまえの七月六日に、忠相は、日本橋の高札場に高札を立てさせた。
 そのころ、ところどころへ名も住所も書いてない捨て文をして、法外のことがあるので、毎月、二日、十一日と日を限り、評定所の外の腰掛けに箱を出しておく。書き付けを持って来て、この箱へ入れるのだ。
 時間は、昼間の九時間だ。箱のそとへ落としても何にもならない。悪人の仕置きに参考になる、証拠や反証でもいい。役人の私曲非分は、大いに歓迎する。繋訟《けいしょう》中の事件で、係の役人があまり長くうっちゃっておいて迷惑していることなどもどしどし投書してよろしい。
 が、単にじぶんのためや、私《わたくし》の意恨で、人のことを悪くいうのはつけないお取り上げにならない。何ごとによらず、じぶんで確かでないことや、また人に頼まれたからといって、両方のいい分を調べてもみないで、すぐ目安箱へほうりこむことはならぬ。何でもありのままに書いて、作りごとやごまかしは全然許されない。これらはすべてお取り上げにならないで、その投書は焼き捨ててしまう。
 投書はみな持って来て箱へ入れなければならない。訴人の名前、宿所は必ず明記すること。
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