も所作でも、融通のきくいいからだだ。上背はたっぷりあり、四肢《てあし》はすんなりと、おまけに、顔はそのとおりきれいだし、第一、そのおめえの身から、ほんのりにおってくる色気が大したものだよ。千両ものだよ」
 日本一太郎はお駒ちゃんのはだかを想描するようにうっとりと眼をつぶって、唄《うた》うようにつづけるのだ。
「何にもむずかしいことはありゃあしねえ。おめえならすぐ覚えるのだ。ちょっと稽古《けいこ》すりゃあわけあねえよ。女を出して、どう持ってゆくかてえことは、ここんところ、おいらもまだ考えてる最中で、しかとは決まっていねえが、とにかくあっと見物の度胆を抜くものでなくちゃならねえ。
 おいらも、日本一太郎として、一度は江戸中の評判にもなってみてえのだ。日本一太郎――全く、自慢じゃあねえが、おいらの手品はにっぽん一だと、まあ自分じゃあ思っているのだ」
「それはそうだろうけど」お駒ちゃんは、乗り気と不安をちゃんぽんにした眼で「あたしはいったい何をするのさ」
「新作|天羽衣《てんのはごろも》、天人娘《てんにんむすめ》夢浮橋《ゆめのうきはし》、外題《げだい》はまだ決めちゃあねえが――おめえか、おめえ
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