具師《やし》のほうもやっている木場の甚てえ親分とな、ちょっくらほかのかかり合いで相識《しりあい》になったのだが、この仁《ひと》がいってすすめてくださるのだ。
 おいらも、その先長えことではなし、一世一代に、手妻の一点張りで舞台《みせ》を張ってみてえ気もあってひとつ根限り、幻妖《げんよう》摩訶《まか》不思議てえところを腕によりをかけて見せてえ気もちも大きにあるのだが、ついては、新奇の演《だ》し物《もの》をつくって、思い出話にもなるように凝《こ》れるだけ凝って呼びものにしてえと思うのだ。手品といったところで生やさしいことでは客はつかねえよ。
 そこで一つ考えてることがあって、それにあ女がひとりいるのだ。面と姿が人形のように美《よ》くて、それで色気がたんまりあろうてえ髱《たぼ》が一枚入り用なのだ。ちょうどおめえのような――」
 話しているうちに、日本一太郎はだんだん興奮してきて、がくがくあせり出しながら、お駒の肘をとって揺すぶるようにするのだ。かみつかんばかりにことばをつないで、
「実あさっき、おれあおめえのからだを見るために、ああしていっしょに湯にへえったのだが、あれならどうして、振り事で
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