まはいってえどうしたというのだ」
お駒ちゃんは、負け惜しみのように、陽気らしく細かく笑って、
「話せば長いことながら、さ」
「いずれそんなところだろう。まあ、あとでゆっくり聞くとして、おめえ何かえ、いまあぶれ[#「あぶれ」に傍点]ているてえわけかえ」
「あい。早くいえばね」
「相変わらず、いやに胆《たん》がすわっているぜ。粋《いき》すじだろう。ははは、こいつあお手の筋だ」
「まあ、そんなところかね」
「他人《ひと》ごとみてえにいってやあがる。おいらもきょうはもうからだがあいているのだ。どうだ、これからおいらんところへ来て、一ぺえやりながら、そのおめえの苦労話てえのを聞こうじゃあねえか。惚気《のろけ》でもなんでもいいや」
「そうかい。じゃ、まあ、ついて行くことは行くけど、そんな悠長《ゆうちょう》なんじゃあないんだよ。食べるか食べないかのどたん場まできているんだからねえ。男なんか、もう、ふっふっ――」
「どうだか、怪しいもんだぜ。お駒太夫が男ぎらいになったら、おいらは今一度、廿歳代《はたちでえ》に若返《わかげえ》るだろう」
「人聞きの悪いことをおいいでないよ。ほんとに男じゃあ今度ですっか
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