議な恰好でぶらぶらしていて、いつまでも岩槻藩へ帰ろうとはしなかった。
おまけに今度は、藩のほうへ暇を願って、若松屋惣七といっしょに東海道を下ってみようと思い立ったのだが、それが許されずに、江戸の兵庫頭の上屋敷から呼び出しがあって、すぐに国表へかえらなければならないことになった。
そこへ持ってきて、若松屋惣七にも、何やかや用事ができてきて予定どおり二人の女のあとを追って旅に出るわけにはいかなくなったので、その旨をしたためた書状を持って、ただちに金剛寺坂から飛脚が飛んで、おせい様と歌子を追いかけた。
途中で、心待ちに若松屋惣七と紙魚亭を待って、約束によって府中のこっちの由井《ゆい》宿で、同じ宿屋に泊まりを重ねていたおせい様と歌子は、その飛脚の文《ふみ》を見ると、歌子というものがついているのだから、女同士でもこころ細いわけではないのだけれど、やはり心ぼそいかつまらないかで、旅をつづける気にならなかったものとみえて、忘れたころになって、ぼんやり江戸へ帰って来ていた。
だまされたような不平な口ぶりで、歌子はそのまま牛込矢来下《うしごめやらいした》の家《うち》へはいるし、おせい様は、下谷《
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