ことからも容易に想像できるように、美しい女であった。このおゆうが、若い日の一空さまにとって、彼の生涯にただひとつの恋の相手だったのだ。二人は、ひそかにいいかわしただけで、宗庵の許しを得ないうちに、宗庵が死んでしまった。
おゆうは、宗庵の築いた隠れたる黄金郷の主《あるじ》となったのだが、まもなく彼女は、お高の父である相良寛十郎に会ってさっそくいっしょになることになった。一空さまに対するおゆうのこころもちは、要するに少女的な感傷に過ぎなかったのだ。おゆうは、相良寛十郎に、はじめて男を見た気になったのだ。すぐ寛十郎を家へ入れて、医者の娘と御家人との結婚生活がはじめられた。
おゆうの財産は、あくまで秘密になっていたので、寛十郎も、金が眼当てで入りこんだものとは思われない。が、すぐ妻の莫大な資財に気のついた彼は、金が眼当てでおゆうに取り入ったのと同じ結果になった。一空さまにいわせれば、はじめから面白くない人物だったのだ。それが、未経験なおゆうの眼には、神様か仏さまのようにうつったというのだ。
お高は、じぶんが親しく見送った父のことを悪くいわれて、いい気もちはしなかったが、一空さまのこころも
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