あぶない。ことに、このごろのように石や瓦《かわら》が飛んで、何どき騒ぎが持ち上がらんともわからんときに、餓鬼どもを道路《みち》で遊ばせておくのは、よろしくないでな。道場のような遊び場を建ててやりました。やんちゃども、大よろこびで、きょうはその部屋びらきじゃ。さわぎをやりおる。見に来られんか」
 石や瓦が飛びそうな騒ぎとは何のことだろうとお高がきいてみると、何でも、金剛寺門前町に、このごろよろず屋というべき米、味噌《みそ》、醤油《しょうゆ》、雑貨から呉服類、草鞋《わらじ》、たばこまでひさぐ大きな店ができたために、従来の町内の小商人が、すっかり客をとられて難渋《なんじゅう》している。が、新店は資《もと》がまわるとみえて、諸式を安く仕入れて売るものだから、とても太刀《たち》打ちはできない。
 そこで生活をおびやかされた土着の商人たちは、新店に対する憎悪と反感で結束して、ならずものなどを雇い今夜にも新店へなぐりこみをかけそうなうわさである。石や瓦の雨どころか、血の雨が降るかもしれないというので、この数日、付近は戦々兢々《せんせんきょうきょう》としている。そんなはなしだった。
「こういうわけじゃ
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