がいい。おれのからだがうごく限り、おめえひとりぐれえ食わせられねえこたあねえ。
 こんなことを続けていちゃあろくなことはねえぞ。そのうちにいい働き口でもみつけるまで、まあ、ぶらぶらしているがいいや。下女奉公が一ばんだ。な、いい家を探すのだ。きれいな家に、うまい物を食って、のんきにからだを動かしていせえすりゃあ、つとまってゆくところがあるめえものでもねえ。行儀見習いてえことも、おなごは忘れてならねえのだから――」
 お駒ちゃんは、あたまをうしろへほうり投げるようなしぐさをして、はっきりした声だ。
「お父つぁん、いまよすわけにはゆかないんだよ。心配しないでおくれよ。大丈夫だからさ」
「何をいやあがる」久助は、高びしゃに「おめえよりおれのほうが、ものの分別があろうてえもんだ」
「それあそうだけれど、あたしだって、自分のことはじぶんでやってゆけるつもりだよ。これでも、今までさんざん苦労をしたんだからねえ。やっとここまできたんだから、こころもちはありがたいけれど、よけいな口出しをしないでおくれよ。さっきから何度もいうとおり、べつに悪いことをしてるわけじゃあないんだから――」
「そんならなぜ、今夜
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