る火のようなものに思えて、お高は、じぶんのからだがじりじり焼けてゆくような気がした。
龍造寺主計と対坐していたときのまま、敷居近くにすわって、ぼんやり考えこんでいた。
おもての金剛寺坂を、何かうたいながら、三味線をひいて行く、男と女の声がしていた。お高は、それを聞いて、流しの芸人夫婦を想描した。その雨をも風をも分け合っているすがたをお高はうらやましく感じた。何もかも知りあい話しあって、この世の中の重荷をいっしょにかついで行く相手のある人が、いちばんしあわせなのだと思った。
磯五のことが、心に浮かんだ。磯五という人は、女の口に口を当てて、誠実《まこと》を吸い取りながら、心で他の女のことを考えている、恐ろしい人だと思った。自分がそれに気がつかなかったように、いまおせい様はそれに気がつかないでいるのだ。
おせい様ばかりではない。あの妹に化けているお駒という女も、すっかり磯五のものになっているのだろうが、磯五の人柄には気がつかずに、女のほうから打ち込んでいるに相違ないのだ。お高は、磯五が、女の毒にあてられてからだがきかなくなればいいと思った。
そんなことより、お高としては、若松屋惣七
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