何でもいいますよ」
「ははは、相変わらず元気で、面白いことをいいます」
 磯五は、すごい表情《かお》をして、お高をにらみ上げていた。お高は、平気なのだ。
「従妹とやらが、あまり元気では、お困りになることがございましょう。おあいにくさまみたようでございますねえ。面白くないことを、たんとしゃべり散らす従妹でございますからねえ」
「これ、お駒も来ておるのだ。長らく会わないが、覚えてはいるだろうな」
「これが、妹さんとかいう、お駒さんという女《ひと》でございますか。不思議でございますねえ。こんな人、見たこともございませんよ。妹さんがおありだということも、いまはじめて伺うことでございますよ」
「ははははは、いくつになっても、お前の茶目ぶりはなおらないとみえる。いよいよ面白い」
 お高は、このうえ長居は無用と思った。おせい様にだけ、かるく挨拶して、座敷を出て、帰路についた。かみつくような、挑戦的な磯五の視線が、お高のうしろ姿を追っていた。お高も、出がけに磯五に、応戦的な一瞥《いちべつ》をかえした。
 お高は、これで、磯五とすっかり敵になったことを知った。きょうから、あらためて、磯五という良人は、お
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