凹凸《おうとつ》をくっきり[#「くっきり」に傍点]とくま取らせて、赤鬼のようにのぞいている。
女は観念の眼を閉じた。
こんなところに長居はごめん
「おう! な、何じゃこれは※[#感嘆符疑問符、1−8−78]」
「――女子《おなご》? ではござりませぬかな」
「ややっ! ど、どれどれ、ううむ、いかにも女子じゃ。まさしくこれは女の死骸《しがい》と見える。かか、閑山め、な、なかなか味をやりおるわい。手を貸せ」
「は。なれど万一《もし》生きておりますると、お顔をさらすは不得策かと存じます。まずこの頭巾《ずきん》にてお包みなされて」
「なに。と、灯《とも》しを消せばよいではないか」
ふっ[#「ふっ」に傍点]と吹く音、蝋《ろう》のにおいが闇黒《やみ》に漂う。
四つの手が肩と腰を抱いて、女を櫃から取り出した。
おろされたところは、しっとりとした冷やかさ、案の条、畳の上である。
が、一色に深い闇黒があたりをこめて、からだ中の神経を眼と耳に集めても、女には何も見えないし、聞こえない。ただときどき家を鳴らして渡る小夜嵐《さよあらし》が、遠くの潮騒《しおざい》のように余韻を引いて過ぎるば
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