侍といっしょに、自分をあらためたあのじゃらじゃら[#「じゃらじゃら」に傍点]声の猫侍ではないか。
いうまでもなく内藤伊織。
と、するとその白い袋の中に納まっているのは妻恋坂の殿様として、明るい世界では旗本で通っている饗庭亮三郎その人ではあるまいか。
どうなることか――どうなっても、ままよ、驚くことはないとお蔦が覚悟をきめたとき、低い含み声が、白い袋をもれて出た。
「かねて知ってのことではあろうと思うが」静かな声である。
「今江戸に出没して、幕吏を始め、町方の者を悩ましている烏羽玉組の根拠は、お前たちが今までおったこの底の会所じゃ、いったい世の中のことはすべて報酬附きで、一を与えれば一を取る。二を授かった者は二を捧げるつもりでおらねばならぬ。
と、いうたからとて、わしは何も、今までお前たちに、寝食を与え、休養させておいたからといって、この仕事を押しつけるわけではないが、お前たちにしてみれば、たとい、一日でも、いわば、世話になった以上は、少しは当方のいい分も聞かねばならぬ心持ちがあるであろうと思う。そこさえわかっておれば、わしらが何をいい出そうと、喜んでやってくれるはずだ」
ちょ
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