、全く驚いた。度々云つた通りあの犯罪は一見女でなければ出来ぬものだ。とすれば僕の推理は誤つていたことになるのかな。けれども一方他の事実はやはり林田を指している。さだ子と二人で二階にいた時犯罪が行われたこと、のみならず彼は変な電話がかかるちよつと前にどこかに出ている。ここで僕は頭を悩ましている所へ、翌日解剖の結果ヴェロナールが発見された。これで疑問はやつと氷解して僕は万難を排しても早く中国地方まで行かなければならぬということになつた。そこへちようどひろ子がとび込んで来たのだよ。ひろ子は君もきいた通り中々頭がいい。犯罪のおこる度にさだ子は林田と二人になつている。と気がついた所は実によかつたが、折角そこまで行つていながら、林田の方を疑わずにさだ子の方を疑つてしまつた。(ひろ子の推理第六回及び第七回参照)林田がさだ子を庇つている、と見たのは無理もないがもう一歩という所だ。林田はしかし全く成功してひろ子の目をごまかしている。ただ君にあとでひろ子の欠点を指摘した時に云つたあの二十一日の午前の会話(警部の論理第二回参照)あれは林田として少々くどすぎた。失敗だよ。彼は何でもさだ子の心配を伊達の上におこ
前へ 次へ
全566ページ中541ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
浜尾 四郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング