ばして平気で進んで行き勝ちになる。それとまるで同じ事よ。
「さて、林田が犯人ではないかなと考えて来るとどうだい、万事都合よく説明がついて来るじやないか。やす[#「やす」に傍点]子が早川辰吉と会つた後、林田がやす[#「やす」に傍点]に会つたとすれば彼ならば確かに沈黙させる方法をもつている。すなわち、さつき云つた第一テーマさ。それから彼なら従来、駿三に送られた脅迫状を見ているからそのまねをして自分で書き得る。十七日の午後に駿三が彼の所に行つているから、第二のテーマすなわち薬のすりかえも思い付く。それに彼ならば秋川家の状態が如何に犯罪に利用し易いか観てとれるだろう。しかし第二の事件の時に彼はたしかにさだ子と二階にいた筈だが。……これはかなり重大な疑問だつた。しかしこれは、考えた末、やつと解けた。あいつさだ子のアリバイを立てて実は自分のアリバイを立てているのだ。ではどうしてさだ子を沈黙させたか。さだ子が彼を充分信頼しているのは何故か。こう思つて来るとここに第一テーマが又ひびいて来たんだ。早川辰吉の供述中に、やすが自分に大変親切な方がある[#「やすが自分に大変親切な方がある」に傍点]と云つたとい
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