根本的に改めなければならないかも知れん』と云つていたがありやどういうわけだい」(ひろ子の推理第一回参照)
私は思い出して聞いて見た。
「うん、あれか。あれはあの日一日だけ僕の頭にあつた考えなんだ。これは後にいうが、僕はあの日まで、犯人は男だ[#「犯人は男だ」に傍点]と確信していたんだ。ところが、あの犯罪は断じて女の犯罪だと思つたんだ。あの時云つた通りのわけでね。(同上参照)しかし、翌二十六日に、初江の胃から健胃剤のかわりにヴェロナールが発見されたときいて僕は再び元のテオリーに戻つたんだ。だつてあんなものをのまされていては、女でなくたつて男だつて初江のそばに近づけたはずだからね。だから僕は非常な事実だと云つたんだよ」(警部の論理第三回参照)
「それにしても林田がわざわざそんな危険なスミスのまねなんかしたのは妙だね。第一回の時のようにだまつて昇汞でものませた方がたしかだつたろうがね」私がきいた。
「君は犯罪人のもつ虚栄心を知らないかい。彼には僕らがめんくらつて五里霧中でいるのが面白かつたんだよ。すばらしい殺人がやつて見たかつたのさ」
運命の相似三角形
1
藤枝は
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