た。駿太郎の殺されたのだつて暗い森の中だから気がつかない。林田が来たのでむしろ安心してヌッと顔を出した所を、いきなり首をしめたのだ。やす[#「やす」に傍点]はもがきながら死んだわけだ。彼がレコードをかけつぱなしにし、ドアをしめさせておいたのはできるだけ長く駿太郎が部屋の中にいると思わせ、従つて犯罪の発覚をおくらせるつもりだつたのだろうと思う。ところが意外に駿太郎消失の発覚が早かつた。やす[#「やす」に傍点]を殺した後で、彼は森の中ですぐ駿太郎の所にもどり死体に細工をしている間に、家の中でわれわれがさわぎ出したのさ。彼は非常な危険に身を曝露したわけだ。われわれが一体どつちに行くか見ていて、一同が玄関にまわつたと見るや否や彼は全速力で反対の側すなわち台所の方にまわりあそこから上つた。その時、土のついたスリッパを脱いで別なのにはきかえ、いそいで二階のさだ子の部屋に戻つた。でここで彼は重大なせりふを云つた。これはさつきさだ子にもきいてたしかめたのだが。僕の察した通りだ。『さつき伊達に思い出した用があつてあとから下に下りたが見付からない。それで戻ろうとして家の中から庭を見ると、伊達らしい怪しい男
前へ
次へ
全566ページ中494ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
浜尾 四郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング