せて下さい」
 高橋警部は、藤枝の余計なおしやべりにかなり腹を立てているらしい。会つて何とかとつちめるつもりなのだろう。
 ところが、警部の電話がすんで五分ほどすると今度は藤枝からかかつて来た。
「オイ、君どこにいるんだ。今警部から電話がかかつて、君の行方をつきとめてくれつていうことだつたぜ。先生ひどくおこつてるよ」
「うん、そうだろう。そんなことだろうと思つたから早くからうちを逃げ出していたんだよ。しかしいつまでも、姿をくらましているわけには行くまいから、ひる頃には警部を訪問するつもりだ。君にも一緒に行つてもらいたいからずつとうちにいてくれ給え」
 彼はこういうと、さつさと電話を切つてしまつた。

      6

 ちようどひるのサイレンが鳴つてまもなくのこと、私は再び藤枝から電話をうけた。
「これからすぐ警部にあいに行く。君はすぐ自動車で牛込署の前まで行つてくれ」
 というのだ。私はただちに彼の云う通り、車を捕えて指定の場所にといそいだ。
 私が下車すると二分程おくれて藤枝がやつて来た。
「さあ、警部に謝まりに行こう、大分怒つているらしいから」
 二人が主任の部屋にはいると高橋警
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