いというお許しは出たものの、とり方によつては、もうお前に用はないからさつさと邪魔にならぬように帰つてしまえ、というようにもきこえる。藤枝と林田はこれを何ときいたか知らぬが素直に立ち上つた。
警部の室を出ると、私は不意に大勢の人に取り囲まれた。思いがけない所から、フラッシュがパツとたつ。
新聞社だな、私はこう感じたがすぐ藤枝が例の要領のよい手際でこの連中を巧みに切りぬけることと信じて安心していた。
はたして、林田は、巧みにこの一群を切りぬけてさつさと出て行つてしまう。藤枝はどうするか、と見ていると、彼は何と思つたか、新聞社の連中を見ると、あわてて高橋警部の室にとつてかえした。オヤ、どうしたのだろう、と思つているとすぐまた出て来たが、おどろいたことには、夢中になつて鉛筆をなめずつている記者たちの群のまつただ中にとび込んで、しきりに何かしやべつている。
彼が新聞記者に自ら考えを積極的に述べるなんてことは未曾有の椿事なので、記者達はムキになつて云われるままに書き取つていた。
5
藤枝の、いつに似あわぬ態度にめんくらいながら、私はだまつて様子を見ていた。
しかし彼は一
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