のは七時頃だつた。
 無論、参考人だし、いかに警部がああ云つても、どうしても普通の人に対するときとはちがうので、かなり鄭重に取り扱われた。
 藤枝、木沢氏、私は一緒に事件当時の模様をきかれたが、誰の言にも矛盾のなかつたこと云うまでもない。
 しばらくすると、警部が、さつきとはうつてかわつたいい機嫌で室にあらわれた。

      3

「藤枝さん、木沢さん、いろいろ御厄介をかけましたが、今日の犯人が捕まりましたよ」
「え、犯人が捕まつた」
 藤枝がきく。
「そうです。今日あの家に侵入したのは伊達正男です。あの男が夕方、ひそかにうら門からはいり台所のそばを通つて庭に行つたのです。それからあのピヤノの部屋の窓のところに来ると、駿三がうしろをむいているのに出会したのです」
「それで?」
 藤枝がきく。
「それからあとの殺人については無論未だ自白はしません。しかし、彼が秋川邸に行つた事実はようやく認めましたよ」
「高橋さん。ではあなたは今回の犯人を伊達だと思うのですね」
「無論です」
「では第二回目の事件では早川辰吉を、第一回と第三回の事件ではひろ子を、しかして今度は伊達を犯人だときめられるの
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