んだ。そうすれば母を殺すことは一石二鳥だからね」
「成程、説明というものはどうにでもつくものだね。……第二のあのタイプライターの脅迫状ね、あれをひろ子が勝手に作つたとするのは妙じやないか。おまけに父があんなに何かを恐れているのだぜ。して見れば、駿三に脅迫状を送つた人間はたしかに駿三の秘密を知つていたと見なければならぬし、駿三には立派な秘密があつたと思わなければならんじやないか」

      6

 私は夢中になつてひろ子を弁護しはじめた。
「警部の論理に従えば、ひろ子がさつき直観と云つた奴が、実はひろ子が探り出した父の秘密だというのだ。ひろ子は如何したかしらぬが何かの方法でもつて父の秘密を知つた。そこで自分であらかじめ脅迫状を出したというんだがね」
「そうすると何かい。ひろ子は犯人が外部に在りと思わせたかつたのかい」
「警部はまあそうと思うんだろうね」
「それじや矛盾じやないか。警部の論理によれば、ひろ子はさだ子と伊達を疑わせようとしているというのぢやないか。それなのに彼女が、犯人外部に在りというようなトリックをしたというのは!」
 私は鬼の首でもとつたようにこの自分ながらすばらしい
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