から行つてくる。……ところで君は夜は自宅にいてくれよ。いずれ何とか面白いことになるだろうからな」

      4

 藤枝の命令通り私はその夕方ただちにうちに帰つて彼からの電話を待つていた。七時すぎになつて果して彼から電話がかかつて来た。
 甚だ恐縮だが、急いで来てくれというのだ。
 私はとるものも取りあえずいそいで彼の宅につくと、これはしたり、意外にも彼は旅行でもするつもりと見え、スーツケースのそばでしきりと何か片づけている。
「や、お呼び立てして失敬。時に足元から鳥が立つようでちよつと急だが、僕はこれから関西の方に二、三日旅行して来るよ。今夜から立つ。しかしその前に君に高橋警部にあつたてんまつを物語ろう。実はさつき警部から電話がかかつて、どうもひろ子のいう所が、腑におちなくて困るから、すぐ来てくれということだつた。で、僕は、ひろ子が例の論理でするどく攻めよるので警部がタジタジの形なんだろうと思つて行つて見たのさ。するとどうだ君、警部は困つていると思いの外、さすがは彼だよ。彼はひろ子の説からしてある確信を得たんだ。その彼の確信によれば、犯人はさだ子と伊達に非ずしてひろ子だということ
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