に薬を作つてもらつたのを知つたかということだよ[#「どうして初江が木沢氏に薬を作つてもらつたのを知つたかということだよ」に傍点]」
暫く沈黙がつづいたが、私はふと、さつきのひろ子との話を思い出した。
「ねえ君、ひろ子は警察へ訴えに出たかしら……」
「行つたろう。そうしてあの素晴らしいテオリーで高橋警部を煙にまいていることだろう。高橋警部がひろ子の説に対して如何なる意見をたてるか、それが見物じやないか」
こんな話をしているところへ、電話のベルがあわただしく鳴つた。
私がいそいで出ると、男の太い声がする。
「もしもし、藤枝真太郎さんの事務所ですか。藤枝さんはおられますか。こちらは牛込警察署です」
私は驚いて藤枝をさしまねいた。
「ああ僕、藤枝ですが……高橋さんですか……何、とうとう行きましたか……ええ……腑におちない? そうですか……ふん、ふん……さあ、それはどうもね……僕ですか、今行かれますよ、じやすぐ行きます」
彼はガチャリと受話機をおくと私の方に向きなおつた。
「おい、とうとうひろ子嬢が訴えに出たそうだ。午前中だつたそうだが。それで高橋警部は僕に来てくれというんだがね。これ
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