子をかばつていらつしやるのではございませんかしら。何かの理由で、さだ子の為にアリバイを立ててやつていらつしやるのではないかと存じますの」
「林田がさだ子さんを庇つている? 不可能です。断じて!」
「いえ、勿論、林田先生はさだ子達の犯罪には気がついておられぬのです。犯罪をかばつてやつてらつしやるわけではないのでしようが……」
ひろ子は、やや弁解するような調子で云つた。
「ねえひろ子さん、あなたはいい所に気がついてはいらつしやるが……それで一体、さだ子さんと伊達君は、どういうわけでこんな恐ろしいことをはじめたのでしようね」
「それでございます。勿論殺人の動機などというものは、無暗に判るものではございません。けれど私にはこんな気が致しますの。あの二人を動かしている根強い力はこの秋川一家に対する恨みでございます。それから直接の動機は無論金銭上の問題だと存じます」
「うらみ? あとの方はよく判つていますが、うらみとは?」
「先生、これがお判りになりません? 伊達さんは、一体何者でございましよう。全く当家にとつては他人ではございませんか。その人に私の家の財産の三分の一を与えるなどということは父が
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