近づいたわけなのでございます」
「自分達の目的?」
「さようです。あの二人には、大へんな目的があると存じますの。それについては後で申し上げたいと存じます。そこで昨日の事件ですが、これは不思議にも二十日の事件と正反対で、犯人はどうしても女であるとより考えられませぬ。ジョセフ・スミスは夫でございました。初江には夫はございませんでしたから……」
「全くです。それは私も同感ですよ」
 藤枝がほんとに感服したような声を出した。彼は半分ほど灰になつたシガレットを皿にすてると更に一本口にくわえて火をつけた。大変にひろ子の話に興味をもちはじめたと見え、両手をしきりとこすり合わせている。
「私が、さだ子と伊達さんが犯人にちがいないと考えましたのは、いよいよ昨日の事件があつたからでございます。第一の事件の場合は犯人が男か女か判りませんが、第二の事件では明らかに男が活動しております。ところが第三の事件では今申し上げた通り、たしかに女が働いております。第一、第二、第三の事件が仮りに同一犯人によつて行われたとして、一つには男が働き、一つには女が働いている。こう結論をたててまいりますと、さだ子と伊達さんを疑うより
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