を殺すことは十七日の犯人の為に大へんな利益があつた筈ではございませんか。何故つてやすや[#「やすや」に傍点]は薬をとりに行つた女でございます。犯人が何かの計略を用いてやすや[#「やすや」に傍点]を買収したか、またはやすや[#「やすや」に傍点]が犯人を知つていながら、何かの理由で黙つていたのでございます。ところが、やすや[#「やすや」に傍点]は先生や林田先生のはげしい訊問にあつて、危く口を割りそうになつた。犯人はこの状態に気がついていたにちがいはございません。この状態に気のつき得るものはあの当時、私の家の中にいた人間と申さなければなりません」
「そうです。その通りです」
 藤枝が感心したようにつぶやいた。
「二十日の事件では直接の犯人はどう考えても男と思わねばなりませぬ。あんな乱暴なまねは決して女には出来るはずがありませぬ。伊達さんが、まずやすや[#「やすや」に傍点]を庭で殺したのです。そう思うより外ありません」
「すると駿太郎君は?」
「やはり伊達さんにさそわれたのでございます。妹と伊達さんは十七日の犯罪の発覚を防ぐためにやすや[#「やすや」に傍点]を殺すと同時に、更に自分の目的に一歩
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