南側にある)さだ子の横顔が見えたが、すぐその傍《かたわら》にいる伊達正男の頭が目についた。
5
「ひろ子さん、伊達君がまた帰つて来ましたよ」
「おや、ほんとですわね」
私に注意されてひろ子は、二階の窓を見上げるとこう云つたが、ふと自分の腕時計に目をやつた。
「もう六時四十分ですわね。御はんの支度ができる時分なのに、どうしたのでしよう」
「いや、私は失礼します」
「まあ、そんな事おつしやらないで。用意がしてある筈でございますから……それに初江ももうお風呂から出た時分と思いますけれど。私ちよつと見てまいりますわ」
彼女は私に会釈をしながら、そのままガラス戸の入口から家の中にはいつて行つた。
「林田さん、庭に出て見ませんか。きれいですよ」
たつた一人になると、現金な私は早速二階の窓に向つて声をかけた。林田の姿は見えないけれども、無論上にいると思つたからだ。
果して、声に応じて林田は窓の所に姿をあらわした。そして窓から顔を出してあたりを見廻した。
「成程、こりやいい景色だ」
と云つたが思いついたように、
「ひろ子さんは?」
「今ご用で家の中へ行かれましたよ」
私が答
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