くれといつた伊達の素性を一応藤枝に語つたのである。
「うん、とうとう君に白状したのかい。そりやほんとだよ、伊達正男の父は伊達捷平といつてね、丁度今から二十年前に山口県で死んでいる。当時正男は五才だつたから、今二十五才だよ。身体ががつちりしているのでもつとふけて見えるがね」
「おや、どうして君はそんなに詳しく知つてるんだい」
「先日いつた通り、僕もあつちの警察に照会して彼の素性を調べてもらつたんだが、こつちの警察からも最近調べたのだ。さつき電話で、詳しくきいておいたぜ」
「伊達の父というのは秋川駿三の恩人だそうだぜ」
「さあ恩人だつたかどうだかともかく二人は大変親しかつたらしいな。捷平の死んだのが三十五で、その当時駿三は二十五の筈だから向うの方がずつと先輩だがね、駿三が山田家から秋川家に入つて徳子と結婚したのがそれより二年前、すなはち駿三も徳子も二十三才の時だ。当時秋川一家は岡山にいた筈だが、駿三ら若夫婦は山口県で伊達捷平と一緒に事業をしていたらしい。そうして大へん親しかつたんだ。結婚の翌年ひろ子が生れ、その翌年、伊達捷平夫婦が死亡したので、駿三が正男をひきとつてやつたんだよ」
「成程。
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