めていた。

      9

 四月二十四日の午前、まだ病床にいる藤枝を訪問して、私は昨日の失敗をくわしく物語つた。
「そいつはしくじつたな。成程僕がそこに気がつかなかつたのは大失敗だつた。じや、こうしたまえ。もうお嬢さん方もああいう所へ行くのはこりこりだろうから、郊外をドライヴさせるんだ。ともかく外出することをすすめたまえ。それから今日は君は必ずしもついて出ないでもいい。ついて行つても無論かまわないが……」
「何にしても、早く君になおつてもらわんと困るね」
 こんな会話をした後、また私は秋川家を訪問した。果してひろ子も初江もすつかり昨日の事でこりて、もう一歩も外出しないというのである。
 私は、藤枝がなおるまで――それはもう二日位のことだから、それまで私のいうことをきいてくれということを切に述べた。丁度林田も来合わせていたので、林田にもそのことを伝えると(但し藤枝の真意は私はのべなかつた。ただ気の晴れるように出かけたらよかろうと藤枝が云つている、ということにしておいた)彼も同意なので二十四日の日は、私は秋川邸に残り、ひろ子、さだ子、初江、それに林田と伊達が加わつて、郊外に出かけて行
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