ないが八度ほどある。それで僕は今日出られないんだ」
「そりやひどい目にあつたね。して用事というのは」
「その事さ。僕のかわりに僕が起きられるまで秋川家の人々を――保護、というか、監視というか、ともかく怠けずに注意してもらいたいのだが」
「ふうん。というと、君は将来、まだあの家に何かおこると思つてるんだね」
「それは判らない。しかし起るかも知れない」
「しかし、主人は会わないつていう話だが」
「主人にあう必要はない。けれども、ひろ子とさだ子の二人の行動を出来るだけ注意していてもらいたいんだ」
2
「じや、あの二人を保護するというんだね」
「うん。保護かあるいは監視だ」
「どつちだい」
「判らんね」
「という君は、彼ら二人の中に犯人がいるというのか。もしくは将来犯人たり得る……」
「それもはつきり云えない。ひろ子かさだ子が犯人になるか、被害者になるか、ともかく重大なことがおこるかも知れぬから注意していて貰いたい」
「注意してつて云つても僕には……」
「だから君は、毎日あの家に行つて二人の令嬢のお相手をしていりやいいんだよ。ずい分いい役じやないか」
「それだけならまあ僕でも出
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