日来ます。警察の方の事も判り次第おしらせしましよう」
 われわれがひろ子の部屋を出ると、すぐそばの部屋から、さだ子もおくりに出て来た。
 ひろ子はそれを見ると、われわれのさきに立つて歩き出した。さだ子は小声で藤枝に、
「先生、伊達さんの事をどうかよろしくお願いいたします」
 と歎願するように云つた。
「大丈夫ですよ。警察の方の工合も判り次第おしらせしますから」
 そのまま階段を下りて玄関にゆき、靴をはくと、藤枝は二人の令嬢に礼をしながら門を出た。
 出るや否や彼は煙草屋にはいつてエーアシップを二つ求めて早速うまそうにすいはじめた。しかし何となく元気がないように見える。
「じや君、僕は今日はこれで別れよう。用が出来たら電話で報知《しらせ》るからね。何だか少し、疲れちまつたよ」
 われわれはそこで袂を別つたのである。
 これで四月廿一日は暮れた。

   第三の悲劇

      1

 あくれば四月二十二日である。
 十七日の夜の事件、すなわち第一回の悲劇以来、藤枝は割合に早起きで、私を電話で呼び出したり、またこつちからかけても、起きていると見えて直ぐ電話に出て来るので、今朝ももうかかつ
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