がおこつたのだ」に傍点]。昨夜犯人の予算に入れてなかつたことが起つたのだ。切迫した意外なことが……」
「そりや何だろう」
「さ、何だろう。昨夜意外な予想外なことがおこつた。犯人に危険が迫つた。しかしてその結果やす子が殺されたのだよ」
「…………」
「判らないかい。佐田やす子の問題だよ、僕と林田のあの烈しい訊問だよ。その結果あの女がもしかすると何か自白しやしまいかということになつたのだ。それを云われちや大変だというので、犯人はおどろいて彼女を殺したと思うのが合理的じやないか」
「しかし、君や林田や警察がやす子を相当厳しく訊問するということは犯人はあらかじめ充分知つている筈だろう。ことに君がいう通り犯人が大天才だとすれば、そんなことはとくに予算に入れていなけりやならない」
「えらい。流石は君だ。そうだよ。無論だよ。その犯人は少くとも五月一日まではやす子が生きていても大丈夫と考えていた筈だ。当分やす子は口を割るまいと信じていた。それが急に昨夜あわてたのだ。彼女に対する犯人の自信がぐらついたと見る外はない。そこでこれからの犯罪の様子が大変なんだ。プレストだ。アヂタートだよ。そして仕上げは案外う
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