を、さそい出して殺し、それから(もし犯人が一人だとすればね)駿太郎をおそつたんじやないかな」
「何故佐田を狙つたろう」
「そりや判らないさ。しかし痴情とか何とかいうことがあるからね」
「それならどうして駿太郎をやつつけたろう」
「さあ、……こう考える事は出来るね。佐田やす子を殺している所を見つけられたのでこれも一思いにやつちまつたとね」
「じやその時駿太郎はどこにいたんだね」
 藤枝は皮肉な目付で私を見た。

      4

「君のようなそんなことを云つたつて、僕は犯人じやないのだからそう詳しいことは判らんよ」
「いや失敬失敬。君の考えが一寸ききたかつたものだからね。判つたよ。君の云わんずるテオリーは、つまりこうだろう。例の草笛か何かの相図で佐田やす子が庭に出て来る。相図をした奴は塀を乗り越えてはいりこみ東南の木立の下で話をしたがとうとう談判破裂でやす子を殺してしまつた。これは駿太郎が何かの拍子で庭に出ていて見つけてしまつたのでは今はこれまでというので駿太郎をもやつつけ、来た道から再び外へ逃げ出したとこういうわけだね」
「まあそうだな。それに現にあの塀に足跡があつた以上はね」
「これ
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