ので無論正確な図ではない。
 ことに、土地のスペースと建物のそれとの比率が甚だいいかげんなものなのだが大体こういう土地にこういう風に家が建ててあると思つていただけばよい、土地はあとできくと二千坪以上のものだから、図面では家屋に比してもつとずつと大きくなるわけだけれど見易い為に上の如く記した。
[#家屋と庭の配置図(fig1799_02.png)入る]
 すなわち[#「 すなわち」は底本では「すなわち」]われわれは玄関を出て、点線の示す方向に進み木戸をあけて庭にとびこんだのである。
 藤枝が奥の方と云つたのは、南の方の事でABという方向に森のように木がしげつているのだ。(ABが何を表わすか、それはすぐ後で判る)
 距離の観念にうとい私には、木戸から南へむけてわれらがどの位進んだかはつきり記することが出来ないが、何でもおよそ現今《いま》の家の庭の中では、ずいぶん進んだという感じだけはたしかにした。
 警部がパッと照らしている電燈の光が森のような茂みのはしの方に何か白い物を浮び出させた時、さすが鈍感の私も思わずはつとした。
「おい、あそこだ。あそこだ。間にあうだろう」
 藤枝はこういうとその
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