白い物体の方に飛ぶように走つて行つた。つづいて警部がおくれじと走る。私と駿三とはややおくれてかけつけたが、私ははじめて白い物に近づいて思わず、
「こりやひどい!」
と叫んだのである。
さつきまであんなに元気だつた駿太郎がここに、見るも無惨な死体となつているではないか。しかもなみたいていの死にざまではないのだ。
からだは全くすつぱだかである。
両足を開いてこちらに向けて仰向きに倒れているのだが、あしの下に着物がくちやくちやに敷かれている。両腕は背にまわされ、多分しめていた兵児帯で後手《うしろで》に緊縛《きんばく》されているのだろう、その端がいんこう部に二まわりばかり堅くくくられている。
きれいな顔の上半分が血まみれになつているのは傷でも受けたものであろうか。
更に奇怪なのは、猿股がひきちぎられてすてられ更にうすいメリヤスシャツがむちやくちやにむしつてあつて右に述べた通り、身体が全くむき出しになつていることだ。
私が叫んだと同時に後で、うんという異様な声がきこえた。ふりかえつて見ると駿三がふらふらと倒れかかつて来る。
「いかん。我が子のこんな有様を見せちや駄目だ。脳貧血だよ。
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