ーネラルマーチ(葬送行進曲)ならいいでしよう。今やつたつて」
「ほんとに仕方がないのね。じや竹針で内証でするんですよ。お父様に叱られるから」
ひろ子は仕方がないと云つた顔で藤枝と共に応接間の方に去り、林田は階段の方に上り駿太郎少年はピヤノの部屋にはいつた。
応接間にひろ子と藤枝と私がはいると、今まで何か話していた主人と警部が、急に口をつぐんでこちらを見た。
「お話最中ですか」
藤枝がいう。
「いや、もうすんだのです」と警部。
「じや僕がちよつと御主人にお話したい。今日はひろ子さんに立ち会つてもらつて、そうしてお話を承りたいのです」
藤枝の声音には何か厳としたものがあつた。
駿三は明らかに驚いたらしいが、強いてその色をかくそうとしていた。
一同が座につくとはじめて藤枝が切り出した。
「秋川さん。あなたは何故、私達に大切なことをかくしておられるのですか」
6
「あなたは、非常に重大な問題を私にかくしておられる。私はひろ子さんから詳しくきいているのです」
藤枝はこういうとじつと秋川駿三の顔を見つめた。
ちようどこの時、私はピヤノの部屋からレコードが美しいメロデ
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