て見ようよ。君は気がついていたろうが、親戚の人々は御義理で来てはいたものの、皆何となく今度の夫人の死を怪しんでいて不気味に思つているようだつたから夜になれば皆帰つてしまうよ。銀座ででもゆつくり飯をたべてちようどいい時分に行つて見ようじやないか」
 二人はそれから暫く銀座で時をつぶして、円タクをつかまえ、秋川邸へと向つたがその時はもう、銀座通りに赤い火、青い火が一杯ついて、ネオンサインの光がいたずらに目を射る頃で、日は全く暮れてしまつて居た。
 秋川邸では家族は全部もううちにもどつていた。
 取次にきくと藤枝の思つた通り親戚は一人残らず帰つてしまつてたつた一人、林田がやはり一足さきに今来たばかりだという事である。
「今日はこつちがおくれたぜ。林田君におくれちやいかん。すぐ捜査開始だ」

      3

 藤枝と私は上つてすぐ右手の例の応接間に通されたが、藤枝は何だかおちつかない様子をしていた。
 われわれに一歩おくれて警部がまたやつて来て応接間にはいつて来た。
 お茶をもつて来た女中に藤枝は一刻も早く主人に会いたい旨を告げたがやがて間もなく駿三が現れた。
 一通りの挨拶がすむとすぐ藤枝
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