自白によると、ヴァッヘルは、ブノンス事件の犯人、モルチュリューの犯人であるばかりではなかった。
(少女モルチュリューの犯人として、グレニエという男が逮捕され、後許されはしたけれども彼は永い間世の批難を受けなければならなかった)
ヴァッヘルの十八の犯罪を一つ一つここに記す事は困難であるからして、ここにはただその犯罪時と場所と、犠牲者の名とを記すにとどめよう。
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(1)[#「(1)」は縦中横] 一八九四年、ボールペールに於いて。ユーヂェニー・デロムという婦人に暴行の後惨殺。右胸部を引裂いてあった。
(2)[#「(2)」は縦中横] 同年十一月二十日、ヴィドーパンに於いて。ルイズ・マルセルという婦人ののどを切裂き胸を切って惨殺。
(3)[#「(3)」は縦中横] 一八九五年五月十二日、オーギュスチヌ・モルチュリューという少女の咽喉をさき胸部を切開きて殺害。
(4)[#「(4)」は縦中横] 同年四月二十五日、サンツールに於いて。モーランという寡婦(五十八歳になる者)に暴行を加う。
(5)[#「(5)」は縦中横] 同年九月二十二日、トリマに於いて。アリー
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