は中々捕まらなかった。
いや一度は捕まったのだが、医師が被害者の死を自然死と見たので釈放され、そこで又々子供が殺されはじめたのであった。
最後に、殺人直後を発見されて逮捕され、審判に附せられたが、彼女は全く狂人なる事が認められて、法律上の責任は負わず、病院に入れられたが、そこで不思議な死方をした。
彼女の室で異様なうめきがきこえたので、人々がかけつけて見ると、自分で自分ののどをしめて死んでいたのである。
子供ののどをしめる事が出来ないので、とうとう彼女は自分の首をしめたのだといわれている。
彼女は、食人女とあだ名され、全くその犯行は理由なくただ子供の首をしめたいという事からおこったものであったらしい。
私は以上殺人狂の事件を記して来たが、外国で殺人狂の事件というものは、この外にまだまだたくさんある。
有名な事件では、ジャック・ゼ・リッパーなどがそれだろうと思われるが、ここには、まだ余り我国に紹介された事のない事件を記して見た。
いずれも変態性慾的な事件である。
メネルーにしろソレイランにしろ、殊に、ヴァッヘルの事件に於いて、われわれは可なりのザディズムスのあらわれを
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