るのか? 酒姫《サーキイ》よ!
さあ、早く酒盃を持て、今宵《こよい》も過ぎて行くよ!

  114[#「114」は縦中横]

東の空の白むとき何故《なぜ》※[#「奚+隹」、第3水準1−93−66]《にわとり》が
声を上げて騒ぐかを知っているか?
朝の鏡に夜の命のうしろ姿が
映っても知らない君に告げようとさ。

  115[#「115」は縦中横]

夜は明けた、起きようよ、ねえ酒姫《サーキイ》
酒をのみ、琴を弾け、静かに、しずかに!
相宿の客は一人も目がさめぬよう、
立ち去った客もかえって来ぬように!

  116[#「116」は縦中横]

わが心の偶像よ、さあ、朝だ、
酒を持て、琴をつまびき、うたえ歌。
千万のジャムシードやケイホスロウら
夏が来て冬が行くまに土の中!

  117[#「117」は縦中横]

朝の一瞬《ひととき》を紅《くれない》の酒にすごそう、
恥や外聞の醜い殻を石に打とう。
甲斐《かい》のないそらだのみからさっさと手を引き、
丈なす髪と琴の上にその手を置こう。

  118[#「118」は縦中横]

こころよい日和《ひより》、寒くなく、暑くない。
空に雲 花の面の埃《
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