三田社会科学研究会
野呂栄太郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)所以《ゆえん》
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成立以来十名前後を上下していたわが研究会も、五月二十四日の公開講演会、その後の講義開始等によって一躍六十余名を擁するにいたった。もし数の増加が同時に質の充実を意味するものであるならば、われわれは会としての強味を誇る何物かを増したといい得るかも知れない。しかしながら多くの場合に然るごとくわが研究会の場合においても、数の増加によって、一時的過渡的の現象ではあるとしても、全体としての会員意識の薄弱――著しく活動的なる少数と非活動的なる大多数との分立――を来したことを率直に認めなければならない。これが大衆獲得の希望をひとまず棄てて、会員相互の結束、会員意識の涵養に全力を集中するにいたった所以《ゆえん》である。こうした方針の下にすでに二回蝋山氏、高橋氏の臨席を得て雑談会を開いたが、今後もますますかかる会合を催す積りである。
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五月二十四日左のプログラムで講演会開催。
一
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